学習指導要領の観点の変化,即ち,「ゆとり教育」から「基礎基本の徹底」への変化に伴い全国の公立高校の入試選抜方法が変化を見せ始めました。
平成5年の偏差値追放の基点となった「個性重視」,「入試の多様化,選抜尺度の多元化」から全国各地で一斉に導入された調査書による「推薦制度」に『調査書の不平等性』,『中学校長の推薦状がある入試の倍率の高さ』,『学力検査を受けないで高校に入ること』,などを指摘する声が高まってきたようです。
24年度の中学校学習指導要領の移行措置期間への突入とともに,高校入試は,推薦・一般の制度から「前期・後期制」に姿を変え,さらに「前期に学力検査を課し,前期の定員比率を上げる」形態を模索する都道府県が増加してきました。
また,複数選抜制度では,それぞれの倍率が高いことや,中学・高校の入試事務の煩雑さから授業時間の確保が難しいということから1回選抜に戻すという変化も生まれ始めています。
埼玉・千葉・青森・岩手・和歌山,静岡・奈良,最近では神奈川などです。
さらに,授業時間の確保という点ですが,学習指導要領では,1コマ年間35週の授業が義務付けられています。週当たりの授業時間割によって体裁は整えられていますが,年間35週授業はほとんど実施されていませんし,特に首都圏の中学3年生の3学期は,年明けから入試業務が開始されるというあわただしさで,30週の確保も難しいと思われます。
「基礎基本の徹底」には,中学・高校の授業時間の確保のための選抜日程がセットとなるわけです。
23年度公立高校入試で,入試事務が3月上旬までに終了するのは,東京都と神奈川県だけです。数年前の埼玉・千葉を加えた首都圏のみで入試選抜が早かったのは,生徒急増期に中学浪人を出さない配慮と仄聞したことがありますが,少子化の進む現在では,この大儀は有名無実になっていると考えられます。
大阪府では,公立高校の前期選抜の合格発表が3月2日,後期選抜が3月24日となっています。また,前期は,全日制課程では,単位制普通科,専門学科,総合学科
の実施となっており,いわゆる主力である普通科高校は,後期一本化が実施されています。
高校入試は,事実上中学校の手を離れていることになります。
埼玉・千葉の日程が,遅くなったことで,今後,私学の入試変化が予想されますが,全国的に見れば,水準になったということのようです。
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