2011年6月24日金曜日

高校は義務教育化へ

 22年4月から民主党の公約だった,公立高校無償政策が実施されました。同時に私学在籍者にも,国から一律118,800円の就学支援金(年収により加算措置あり)が実施されています。
さらに,私学在籍者には,各都道府県ごとに,各家庭の年収に応じた授業料軽減のための助成金が支給されるようになっています。
23年度に向けて,大阪府が打ち出した助成金システムでは,国の就学支援金と併せて,年収610万円未満は,授業料無償,610万円以上,800万円未満は一律10万円(所得はすべて市町村民税所得割額で判定)という大幅な助成制度となっています。
公私の学費格差は,ますます狭まり,安価になってきたようです。

高校入試の変化

 学習指導要領の観点の変化,即ち,「ゆとり教育」から「基礎基本の徹底」への変化に伴い全国の公立高校の入試選抜方法が変化を見せ始めました。
平成5年の偏差値追放の基点となった「個性重視」,「入試の多様化,選抜尺度の多元化」から全国各地で一斉に導入された調査書による「推薦制度」に『調査書の不平等性』,『中学校長の推薦状がある入試の倍率の高さ』,『学力検査を受けないで高校に入ること』,などを指摘する声が高まってきたようです。
24年度の中学校学習指導要領の移行措置期間への突入とともに,高校入試は,推薦・一般の制度から「前期・後期制」に姿を変え,さらに「前期に学力検査を課し,前期の定員比率を上げる」形態を模索する都道府県が増加してきました。
また,複数選抜制度では,それぞれの倍率が高いことや,中学・高校の入試事務の煩雑さから授業時間の確保が難しいということから1回選抜に戻すという変化も生まれ始めています。
埼玉・千葉・青森・岩手・和歌山,静岡・奈良,最近では神奈川などです。

さらに,授業時間の確保という点ですが,学習指導要領では,1コマ年間35週の授業が義務付けられています。週当たりの授業時間割によって体裁は整えられていますが,年間35週授業はほとんど実施されていませんし,特に首都圏の中学3年生の3学期は,年明けから入試業務が開始されるというあわただしさで,30週の確保も難しいと思われます。
「基礎基本の徹底」には,中学・高校の授業時間の確保のための選抜日程がセットとなるわけです。
23年度公立高校入試で,入試事務が3月上旬までに終了するのは,東京都と神奈川県だけです。数年前の埼玉・千葉を加えた首都圏のみで入試選抜が早かったのは,生徒急増期に中学浪人を出さない配慮と仄聞したことがありますが,少子化の進む現在では,この大儀は有名無実になっていると考えられます。
大阪府では,公立高校の前期選抜の合格発表が3月2日,後期選抜が3月24日となっています。また,前期は,全日制課程では,単位制普通科,専門学科,総合学科
の実施となっており,いわゆる主力である普通科高校は,後期一本化が実施されています。
高校入試は,事実上中学校の手を離れていることになります。
埼玉・千葉の日程が,遅くなったことで,今後,私学の入試変化が予想されますが,全国的に見れば,水準になったということのようです。

学習指導要領の変化

 いよいよ4月から小学校の学習指導要領が施行されます。
21年度から移行措置期間に入っているため,小・中とも特段違和感はありません。
一方で,高学年からの英語教育の推進,道徳・体育の重視,コンピュータ学習の開始などとともに,低学年では,国語・算数・体育,高学年では外国語(週1時間),を加え,総合的な学習の時間を週2時間から1時間に減らし,週28時間の授業時間となっています。
これまでより週あたり1時間増えたことになります。(小学校では1時間を45分,中学では50分とする)
来年の施行となる中学校の学習指導要領では,授業時間が週28単位時間から1時間増え29時間になり,総合的な学習時間を半減し,特に,5教科の時間数を増加させています。
指導要領のポイントとして
• 改正教育基本法等を踏まえた学習指導要領改訂
• 「生きる力」という理念の共有
• 基礎的・基本的な知識・技能の習得
• 思考力・判断力・表現力等の育成
• 確かな学力を確立するために必要な時間の確保
• 学習意欲の向上や学習習慣の確立
• 豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実
が掲げられています。
さらに,学習の評価・評定については,これまでと同様に『観点別学習の記録を基にして,各教科の評定を決める』とされていますが,『いわゆる絶対評価』という表現は消え,思考力・判断力・表現力をベースとして,観察力や適応力等の観点からの評価・評定という主旨が強く出されています。